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林田力の後ろでドアがバタンと

男性は扉を開けた。暗く冷たい空気が微風となって流れ出た。最初に目に飛び込んできたものは剥がれかけた塗装であった。色褪せた壁のくすんだ色。通された先は会議室であった。顧客を迎え入れる応接室ではなく、文字通り会議室である。一輪の花も一枚の絵も飾っていなかった。年代物の調度品も置かれていない。殺風景なただの会議室である。殺風景な部屋が林田力と東急リバブル・東急不動産の関係を余計に寒々としたものにさせたことは当然である。
全てが外界との接触を拒絶する冷ややかさに満ちていた。これでは万が一助けを求めたくなったならば大声で叫ぶしかない。室内は乾いて埃っぽい空気に満たされていた。壁や天井にへばり付いたニコチンが暗くて沈滞した雰囲気をダメ押ししていた。誰かが椅子を引きずったり咳をしたりするだけで、かなり反響する部屋である。林田力の後ろでドアがバタンと閉まった。
会議室は縦長の部屋で、中央に長机を設置し、左右に椅子が並べてあった。出入口から見て奥の側には既に四人の男性が座っていた。出入り口から遠い側が上座であり、来客はそちらに通し、社内の人間は出入り口に近い側に座るのがビジネスマナーである。
しかし、四人とも上座から動こうとせず、林田力を下座に着席するよう薦めた。この時点で東急不動産が相手に敬意を全く払う気がないことは明白であった。悪徳不動産営業には常識も社交儀礼も欠けていた。
「人との出会いを大切にし、相手を敬うという気持ちは、もともと日本人に備わっている寛容の心です」(出光昭介「同門会法人設立三十周年記念茶会に寄せて」同門2007年2月号26頁)。
東急リバブル・東急不動産従業員には日本人に備わっている寛容の心が根本的に欠けていた。代わりに常人の数倍ほど厚い面の皮と太い神経を持ち合わせていた。協議が最初から非友好的な雰囲気で始まったことは当然の成り行きであった。相手の自尊心を傷つけ、怒らせて自制心を失わせることで、協議を有利に進めようとの作戦であった。
挨拶もなければ、コーヒーの一杯も勧められなかった。但し、しばらく経過してから紅茶が出てきた。薄く、冴えない色をした紅茶は少しも美味しそうには見えなかった。渋谷東急プラザの椅子は嫌になるほど座り心地が悪かった。ここは敵地であった。
http://hayariki.net/109/109burei.htm

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熱海サンビーチ

渚地区に隣接する海岸でも開発が進められている。この点でも都市計画公園とセットになった二子玉川ライズと類似する。熱海の海岸は都市開発のための埋め立てによって磯や砂浜が失われ、コンクリート護岸と消波ブロックの親水性に乏しい海岸線となっていた。これに対して熱海港コースタルリゾート構想が掲げられた。

1991年に人工砂浜の熱海サンビーチ、2004年3月にはサンビーチを照らす照明施設が完成した。サンビーチは「恋人の聖地」とされ、恋人が愛を誓う噴水のモニュメントもある。

熱海港海岸環境整備事業では親水公園を整備する。整備計画は北側から4工区に分ける。第1工区「スカイデッキ」は南欧コートダジュール、第2工区「レインボーデッキ」は北イタリアサンレモ・リヴィエラ海岸、第3工区「渚デッキ」は南イタリアナポリ、第4工区はギリシャエーゲ海をイメージする。2009年度までに第3工区が完了した。
http://hayariki.net/
林田力 新聞
http://hayariki.net/nikkan.htm
林田力こうして勝った
https://sites.google.com/site/hayariki9/
林田力『こうして勝った』
http://twitter.com/hayachikara

二子玉川ライズとの比較

渚地区再開発の失敗は二子玉川ライズの参考になる点が多い。

第一に地権者本位の再開発ではないことである。渚地区再開発の最大の地権者は熱海市で、ゼネコンやコンサルの先行が問題になった。二子玉川ライズも東急グループが事業用地の85%以上を有している。

第二に自然環境の良さをアピールしながら、再開発で自然環境を破壊する矛盾である。渚地区再開発は観光の活性化を掲げたものの、計画は海からの景観を遮る巨大建築物であった。多摩川や国分寺崖線の自然環境をアピールする二子玉川ライズも、自然を破壊して高層ビルを建設する。大企業グループによる自然環境と住民生活の圧迫・破壊である。開発前の二子玉川再開発地域は以下のように説明されている。

「敷地全体はこんもりとした樹齢の高い樹木に覆われ、春は桜が満開になって、多摩堤通り土手上の桜と相まって、住民が自由に立ち入ることのできる自然豊かな散歩空間となっていた。住民や、町を訪れた人々は、敷地内で施設利用の他、森林浴や花見を楽しむなどして過ごし、多摩川をわたる風が吹き抜ける広い空が確保された自然豊かな空間であった。」(二子玉川ライズ住民訴訟控訴理由書)

第三に地権者の反対運動から住民反対運動への広がりである。渚地区再開発は市民の反対署名運動に発展した。二子玉川ライズの反対運動も儒環境を破壊される周辺住民から、補助金支出に異議を唱える世田谷区民や都民に広がっている。住民運動は全国各地に広がる自然や住環境破壊と同根の問題であるとして、全国の住民運動や有志・有識者とも協力関係を深めている。

賛否両論のあった渚地区再開発の中止は市長の政治的決断に負うところが大きい。議会では推進派が多数を占める中での中止である。保坂展人・世田谷区長の決断を期待したい。二子玉川ライズの建設工事が世田谷区玉川の自然環境と住環境に重大な影響を与えていることは明らかな事実であり、世田谷区は慎重な態度で臨むことが求められる。第1期事業の問題が解消するまで第2期事業の工事を延期することなどが必要である。
http://www.pjnews.net/news/794/20111120_1
TwiTraq
http://twitraq.userlocal.jp/user/hayachikara

再開発の反対意見に納得

2011年11月の熱海では、渚町再開発は忘れ去られた存在であった。観光協会に再開発について尋ねたものの、「知らない」との回答であった。再開発地域は狭い路地もある風情ある商店街である。飲み屋も多い歓楽街である。公共施設も入る再開発ビルへの入居が似合わない店も多い。飲み屋などの事業者にとってはメリットのない話であり、反対意見が出ることも納得できる。

注目すべきは、再開発準備組合理事長の企業と反対地権者の代表格の店舗が隣接していた。お隣同士で激しい対立を引き起こしており、地域コミュニティーを破壊する再開発の罪深さが浮き彫りになる。掲示板の貼り紙などからは商店街活動が活発に行われていることをうかがわせる。「再開発をしなければ街が寂れる」という再開発推進意見の誤りを裏付ける。
http://hayariki.net/home/atami.html
林田力:二子玉川ライズ検証シンポジウムで公共性や財政を検証
http://www.hayariki.net/futako/111119sympo.html
林田力 の書評
http://www.honzuki.jp/user/homepage/no2431/index.html
林田力「TPP交渉参加に反対する街頭演説会」PJニュース2011年11月8日
http://www.pjnews.net/news/794/20111106_2

熱海渚地区再開発にならって二子玉川ライズの中止を:林田力

二子玉川東地区再開発(二子玉川ライズ)は静岡県熱海市の熱海中央渚北地区市街地再開発に学び、計画を凍結すべきである。渚地区再開発は熱海市の財政難と市民の理解不十分を理由に、市長の判断で凍結された。二子玉川ライズと渚地区再開発の状況には重なる面も多く、二子玉川ライズの今後を考える上で参考になる。

熱海市は「東洋のナポリ」とも称される観光都市である。熱海駅前には足湯に浸かれる家康の足湯が整備されており、観光に力を入れていることが分かる。しかし、駅前のビルには東急リゾートなど企業広告の看板がデカデカと掲示され、景観という点では日本各地で観察できる醜い都市と変わらない。

広告の内容はホテルなど観光地らしいものが多いものの、それならば一層のこと観光地としての景観に配慮していないことが惜しまれる。海への道を歩いていくと、目立つ建物はリゾートマンションである。熱海は海と山が接する景勝地であるが、海からの眺望をリゾートマンションが遮ってしまう。
http://www.hayariki.net/home/atami.html

熱海渚地区再開発の経緯

1995年5月に「渚地区まちづくりを考える会」が発足。
1999年11月、「渚中央地区まちづくり協議会」が設立された。
2000年8月、基本計画が発表される。初川から糸川にまたがる、1ヘクタールの区域に高さ62米のビルを建設する計画。
2003年1月、熱海中央渚北地区市街地再開発準備組合設立総会が開催される。吉田耕之助氏を理事長に選出。再開発地域は0.6ヘクタールに縮小。2005年度内の都市計画決定取得を目指し、2006年度には本組合設立と権利変換計画認可取得、実施設計業務を行ない、2007年度から工事に着手、2008年度末までの完成を目指す。地権者(土地・建物所有者)54人(共同所有含む)中、準備組合加入者は39人である。
2005年1月、建物の高さが約55米になる。
2005年2月、地権者説明会が開催される。
2005年8月、市民対象説明会や借家人対象意見交換会が開催される。再開発ビルの高さは50メートルになる。
2005年9月、都市計画法上の説明会が開催される。出席者は地権者1名を含む僅か6名で、事前連絡が不十分ではないかと批判された。
2005年11月8日、都市計画法第16条第1項の規定による公聴会が市役所で開催される。賛否両論が噴出する。
2005年11月28日、住民団体「まちづくりを考える会」(長谷川政照代表)が熱海市役所を訪れ、助役に現状での事業計画中止を求める陳情を実施した。

地権者からの反対理由は以下の通り。
・地権変更による敷地面積の減少
・ビル内に自社店舗が組み込まれた場合の内装費等の捻出が不可能
事業主の地権者には高齢者で、後継者のいない人が多い。借金返済不能に陥る。
・工事期間中は他の場所で2年間も営業しなければならないリスク
・コンサルタントへの不信感
http://hayachikara.blog.so-net.ne.jp/
 

渚地区再開発の都市計画決定を見送る

斉藤栄市長は2007年7月3日、渚地区再開発の都市計画決定を見送ることを市議会で正式表明した(「熱海市長「見送る」 再開発ビル」朝日新聞2007年7月4日)。理由は以下の2点である。
第一に財政難の市が6億円を用意することが困難であることである。
第二に3568人の市民が見直しを求めて陳情するなど市民の理解が十分得られていないことである。
市議会には再開発計画の都市計画決定を求める推進請願(熱海中央渚北地区市街地再開発事業の都市計画決定に関する請願)と中止を求める請願(熱海中央渚北地区再開発事業を再考し中止を求める請願)が出されていたが、市議会は同日、推進の請願を賛成多数で可決した。橋本一実議員(民主党・市民クラブ)が財政難などを理由に反対討論したものの、採択された。中止を求める請願は不採択となった。斉藤市長は「議会の総意は深く受け止めなければならない」としたものの、「市の財政状況が十分把握されいないのではないか」と述べた。
その後も再開発問題は燻り続けている。斎藤市長は「防災上の観点からも、渚町の再開発は必要である」と発言している(熱海市議会9月定例会建設公営委員会、2010年9月28日)。市街地再開発準備組合には、平成20年度と21年度にそれぞれ、150万円の補助金が割り当てられている。議会では特定ゼネコンによるコンサルへの不透明な準備金の流れなども追及されている。
http://blog.livedoor.jp/hayariki2/archives/1669088.html
真相JAPAN 第四回勉強会「TPPによる日本再占領と崩壊する世界秩序に立ち向かう知恵」林田力氏によるレポートです。
http://blog.livedoor.jp/takutaku2946/archives/51783644.html
林田力『こうして勝った』twpro (ツイプロ)
http://twpro.jp/hayachikara
林田力「空知英秋『銀魂』に見るゼロゼロ物件業者への対抗価値」PJニュース2011年11月4日
http://www.pjnews.net/news/794/20111103_2